マンション・アパート退去時の敷金返金問題について あまり大きなテーマではないかもしれないけれど、これで結構、涙をのんでいる人たちがいるようなので、解決策らしきものを提示しておきます。 ●敷金がハウスクリーニング代で全額消えた? http://allabout.co.jp/living/housetrouble/closeup/CU20051102A/ 「賃借人が賃貸借契約終了により負担する賃借物件の原状回復義務には、特約のない限り、通常損耗に係るものは含まれず、その補修費用は、賃貸人が負担すべきである。」 住まいで普通に生活をしていれば、ある程度の内装の傷みが発生するのは当然のこと。ここで「通常損耗(つうじょうそんもう)」とは、そのような傷みのことを言います。この通常損耗は、人に部屋を貸したとしても、自分で使用したとしても、普通に発生するものですから、部屋を所有していれば当然かかる費用です。つまり、最高裁判所は、通常損耗については大家さんが費用負担をして原状回復をすることを認めたのです。 賃貸契約の満了時、ないしは解除時、敷金が返ってくるのが当然です。ですが、オーナーもしくは仲介する不動産業者が意図的に返さないで済ませようと企む、もしくは借り手の無知を利用してあわよくば懐に入れてしまおうとする場合があります。不動産不況が続いていて、不動産賃貸で食っている業者やマンション・アパートのオーナーさんたちは、入居者が入らないまま空室が続くといった事態で疲弊しています。空き室が埋まらないから、家賃相場も下がり気味です。だから、なんとか現金収入を得ようといろいろ企みます。 新規の入居者が見つかれば、敷金、礼金が一度に入ってきます。一部屋につき5か月分の賃料相当金額が一度に入れば、ありがたい現金収入です。契約期間がまだ残っていても、今のテナント・借主が出て行ってくれて新しい人が入ってくれれば、カネになります。だから、あなたに「早目に出て行ってくれてもいい。リフォーム代金は取らないよ。一か月以上の事前退去通告いらないから、いつでも出て行ってくれていいよ。家賃も日割り計算でいい。」と大家さんが囁きます。(大家さんは、この時点でできればあなたへの敷金の返金はしないで済ませたいと思っているかも。) トイレや洗面所の水まわりの不具合やかすかな異臭が前から気になっているし、手狭なので、なるべく早くもっと広い所に越したいと思っていた貴方は、大家さんの言に喜んで飛びつきます。即、退去します。 大家さんが突如、「清算書」なるものを送りつけてきます。「壁と床のリフォーム代金23万円」が敷金から差し引かれています。なんじゃこれは?大家さんに聞くと、「退去後調べてみたら、壁や床がひどく汚損していた。」との説明。話が違います。納得できないので、出るところに出ましょうと大家さんに宣戦布告します。大家さんは、「戦争に応じる」との回答です。さて、どう戦うべきか? @そもそも、経時変化に伴う壁や床の汚損を、(東京都の場合は)借主に請求していけないことになっているのです。石原都知事がやった唯一のまともな施策なのですが、「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」が設けられており、故意に壁に大穴でもあけない限り、借主が負担すべきではないのです。(都の担当部署は、東京都住宅政策推進部不動産課になります。東京都以外は不明なので、地方自治体に聞いてください。)ちなみに、このリフォーム代請求の話を担当部署にしてみてください。「一切支払う必要はない」との余りにもはっきりとした毅然とした回答が返ってきます。w Aオーナーさんでなくても、不動産会社がマンションを丸ごとオーナーから一括リース契約しているばあい、不動産会社が敷金を必死に取り込もうとすることがあります。あなたに23万円を返さないで済むと、そのまま不動産屋の収入になるからです。一括リース契約だと、今のように不動産不況で、歯が抜けるように退去者が増えていくような状態では、どんどん赤字が膨れ上がるのに、オーナーには契約額のリース料を支払わなくてはならない。そこで、オーナーには言わずに、仲介業者が退去者である貴方に因縁をつけてくるケースがあるわけです。 B貴方が、マンション一室を仕事にも使っていた場合、業者は「事務所用途に貸していたのだから、住宅局の管轄ではない。」「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」の対象外だと抗弁してくるかも。ですが、貴方の契約書を見直してみてください。個人名で契約してあり、消費税も支払っていないなら、これは「住宅用」とみなされます。事務所用の場合、通常はスケルトン貸しといって、内装のない状態で借りうけ、自社で内装して退去時は元のスケルトンに戻すといった契約です。勿論、この場合、契約の主体は「法人」でしょう。このケースでは状況によっては、リフォーム代金の負担を余儀なくされることもありますが、上記のケースでは、事務所に使おうがなんであろうが、実質は「住宅用途」と同じ扱いです。 C法外なリフォーム見積書を業者が出入りのリフォーム業者に書かせて添付してきます。請求の根拠にしたいのでしょうが、逆に、貴方にとって、得難い証拠品になります。相場の倍額を超えるような見積書は、公の機関の裁定を受けるときに貴方に有利に働くでしょう。 Dさて、業者・オーナーさんとの戦い方ですが、「戦わずにして勝つ」のが得策です。相手が嫌がることを「示唆」しましょう。相手は、貴方が世間知らずで、業者の言うがままに23万円の相殺を受けてしまうことを期待しているのです。つまり、「騙せるかも」と踏んで、仕掛けてきているのです。ですから、貴方が騙せるようなタマではない、怒らせるとヤバイ人物であることを教えて差し上げれば、大体は、その時点で貴方の「不戦勝」が決まるでしょう。 E「敷金を全額、返金せよ」と書面で通告してください。その際、対応しないならば、「1.住宅局に問題を委ねる。」「2.宅建協会(業者の業界団体)に提訴する。」旨を記載する。本来、リフォーム代など絶対に取れないケースですから、「1.」だけでも降参してくると思います。「2.」については、業者が「札付きの問題業者」であればあるほど、業界団体から目をつけられているので、ビビッドに反応して、よく効くお灸となると思います。 Fさて、業者やオーナーさんにしてみれば、今後も同じ手口で、ほかのテナントに敷金を返さないですましたいはずのなで、貴方のいた●●マンションの入居者仲間に貴方から情報が漏れるのは嫌なはずです。「ここのマンションは、退去時難癖をつけて敷金を返さない」なんていう噂が、マンション中に知れ渡ったら.....貴方を怒らせたら、第二の貴方が増えてしまうかもしれないと思ってもらいましょう。w GあなたがブログやHPを持っていて情報発信できるのであるならば、「こういった悪徳な手口は許せないので、ネットを使って広く世間に知らしめて、警鐘を鳴らしたい」という熱い思いを先方に伝えると、どうなるでしょう?きっと、貴方の熱い思いが伝わって、敷金が返ってくることでしょう。 H(Aのケースで)仲介業者がオーナーさんからマンション全棟の一括リースを受けていて、オーナーさんには内緒で貴方にリフォーム代金を請求してきた場合、オーナーさんに直接、事情を照会すると「効果」があるかもしれません。オーナーさんは仲介業者が欲をかいて余計なトラブルを拡大させるようなことをのぞまないので、業者に「さっさと敷金を返してしまえ」と命令して火消しに走るかも。 Iすでに騙されて敷金を詐取されてしまった方々も、今からでも、住宅局などに相談することで返金させることができるかもしれません。諦めずにチャレンジして見てください。年末のこの時期に20万円戻ってくれば、嬉しいでしょうし。(通常損耗の回復も借主負担とする特約があると返金されない場合もあります。最近の契約では、業者さんも対抗策をとってきているので。但し、これも今後問題になると思いますけれどね。契約時、注意しましょう。) J詐欺まがいのこういった手口をだれもが行使するわけではありません。ほとんどが、信頼できる地元に根を下ろした業者さんたちです。だが、不況が続き、懐が苦しくなってくると汚い手口に手を出す業者やオーナーが出てきます。ごく一部のこういった人たちに騙されないように予備知識を持つ必要があります。友人知人の中に不動産関係者はいませんか?相談に乗ってもらいましょう。また、そういった「業界関係者」「不動産専門家」があなたのそばにいるという事実を「お相手」にそれとなく伝えるのも効果があるでしょう。 Kこの手の手法をつかってくる業者は、かなり、「カネ回りが悪い」のかもしれません。背に腹をかえられず....地元での評判を落としてでも現金がほしいということかも。要注意です。 なお、私の過去のケースでは、EFあたりの段階で、つまり、全部手を打つ前の段階で解決してしまうので、ここまでやって解決しない場合、この後さらにどういった対応をすればいいのかわかりません。有志の方体験談を含めて、ご教示ください。みんなで、知恵を出しましょう。 誰もが誠実に生きて、それでも生きていける社会を作るためには、不誠実がまかり通らないことを、世の中に知らしめる必要があります。ネットは腐った警察・司法・メディアの代わりに世直しをしてくれます。 ↓ブログランキングに参加中! 1日1クリック お願いいたします 人気ブログランキングへ |
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タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
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内 容 | ニックネーム/日時 |
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まず帰りません。 |
ZXZX 2009/12/08 10:14 |
暴力団やら不法在留外国人やらが闊歩する街の商業地区なら、悪い業者もゴロゴロいることでしょう。 |
観察者 2009/12/08 10:57 |
結論から言えば、結局、入居時に不動産屋や大家が普通の人?かヤクザか?って事だと思いますが。曖昧な場合もあると思いますが、疑わしい場合はヤクザに近いと思っていいかも知れません。 |
心情党員 1000911 2009/12/08 11:13 |
悪徳業者というの除いて、借りる方には借りる側の言い分が貸す方には貸す側の言い分があると思います。 |
正義の味方・孫小山 2009/12/08 11:25 |
壁紙は大家の負担ですよ。経年変化を汚損だと主張し敷金を返さない悪徳業者は多いですね。 |
ピラリーちゃん 2009/12/08 11:33 |
長年田舎で細々と暮らして居ますが、たまに東京での生活が懐かしく思います。田舎では礼金敷金は、ありません。誰も住まなくなった一戸建ても多くなりました。私のような価値観もあります。貧しい暮らしですが |
温泉地の田舎 2009/12/08 11:35 |
ちなみに壁紙なんかは6畳間全部で1000円もしないはずですよ。クロス職人にききました。 |
ピラリーちゃん 2009/12/08 11:38 |
これは有難い。ありがとうございます。 |
流れ者 2009/12/08 16:56 |
つか、このへんは建設省のガイドラインとかもあって、 |
seven 2009/12/08 19:26 |
確かにセコい事例でありました。 |
みけねこ(666) 2009/12/08 22:30 |
海坊主は文鮮明ですね。話が変わって申し訳ありませんが、似非右翼のDVDの装丁は凄いです。私個人的には最高ランクに位置づけさせていただきます。運転席周りが特に凄い。テジャクがバスガイドですね。このツアーに入ると身包み剥がされる山姥探検ツアーみたいですね。一枚の絵で全てを語る芸術的なレベルです。DVD以外にも活用されれば効果てきめんと存じます。 |
日本独立 2009/12/09 05:25 |
おおっ、コラがシュール! |
リポD 2009/12/09 07:24 |
>観察者さん |
nuke 2009/12/09 11:49 |
こんちは! |
無教養俗物 2009/12/10 20:31 |
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